シニアエンジニアインタビュー

高品質な自動車を
効率的に量産するための
仕組みと装置を開発

事業本部
自動車事業部
第2生技部
阪野孝昭

自動車の生産にかかわる技術や仕組みを開発、設計する

生産技術(生産準備)とは、製品の品質を高めたり、効率的かつ安定的に供給したりするためのプロセスを設計、改善する技術を指します。

弊社の自動車事業部では主に、ハイブリッドカーや燃料電池車向けのモーターやインバータ、ボデーやエンジンの鋳造・プレス型など自動車の基幹部品や、フタ物と呼ばれる部品(ドア・ボンネット・トランクパネルなど)における生産技術の開発や量産設備の製作の業務、そして車体溶接ラインや車両組立ラインの生産設備や治具の設計・製作などの業務を担当しています。”自動車を生産するための設備や工程の業務”と言ったほうが分かりやすいかもしれません。生産ラインの立ち上げから、解析・シミュレーション業務、生産ライン計画やスケジュール管理なども領域に入り、生産における工程全体を扱える技術と知識を有しています。

生産の現場は、国内に限らずアジアをはじめ海外にも広がっており、お客さまや取引先と密接に協力関係を築きつつ、高品質な自動車生産に取り組んでいくことがミッションです。

生産現場を効率化し、品質を向上するための仕組み作り

生産技術という仕事は、自動車やそれにかかわる部品自体を設計開発するわけではありません。わたしたちが携わるのは、自動車を作る工程に関わる技術の開発や生産設備の設計、立ち上げです。そして、設備を納品しても終わりではありません。わたしたちが担当する自動車の生産設備の場合、モデルチェンジが行われるまで約6年は使われることになります。長いと10年使われることもあります。したがって納品した後も、修繕はもちろん設備を使われる現場の方から「改善して欲しい」という声があれば、改修も行います。もちろん、実際に使う人たちのことを考えて設計や製作していますが、実際に現場で稼働し始めると、いろいろな改良点が出てくるのです。もちろん、仕事は大変ですが、現場の人たちがわたしたちの手掛けた設備でイキイキと働き、「ありがとう」と言われると、苦労してもやった甲斐があったと心から思える、やりがいのある仕事です。

魅力はそれだけではありません。生産技術は新しい作り方や新しい工法が常に生まれ続けており、常に勉強が必要な分野です。新しい知識や情報を身につける苦労もありますが、そこが楽しさなんです。また、長年この仕事に携わってきましたが、扱ったことがない領域もまだまだたくさんあります。そういう仕事の幅広さも魅力だと思います。

仕事はチームワーク。ひとりで抱え込まないタイプが向いている

機械や設計に対する知識やスキルがもちろん必要になってきますが、やはり明るく元気で真面目な人がいいですね。また要領が良いというか、優先順位が付けられて、「やる・やらない」の判断ができる人も向いていると思います。生産現場は常に動いており、それが少しでも滞ると全体に影響が及んでしまいます。なるべく早い段階から関係各所と調整できれば、スムーズに物事が進みます。一方、向いていないのは自分で抱え込んでしまうタイプの人。失敗しても早めに上申すればいくらでも打開できることがあるので、どんなことでも相談して欲しいです。

生産技術はチームワークで進めていく仕事です。サークルや部活動でチームをまとめた経験のある人や周囲と和を保てる人などが活躍できると思います。周りを巻き込み、引っ張っていけるタイプがベストですね。

まずはチャレンジ。それを上司や先輩社員がフォロー

まずはチャレンジさせてみることを心掛けています。そしてそのチャレンジを先輩社員や上司が見守り、間違った方向に行きそうになるとアドバイスする。そういう育成の方法です。チャレンジしたいという人にとっては、働きがいのある職場だと思います。生産技術の分野では一人前になるのには5年かかると言われています。さらに、先ほども言ったように次々と新しい技術が登場します。そういう意味では永遠に一人前と呼ばれることはないのかもしれません。

プロフィール

エンジン部品用の計測器や搬送車両ロボットなどの機械設計、溶接機のメカトロ設計に従事した後、ハイブリッド自動車用電気モーターの搬送設備などの設計を担当。1994年より生産技術をメインに携わるようになり、自動車メーカーで主にボデー溶接ラインの生産準備、生産設備の仕様検討、生産ラインの立ち上げなどを手掛ける。